あれは確か、私が小学5年生の冬だったと思う。
世の中は、Jリーグが開幕して数年、サッカー人気も絶頂期。
このまま日本の国技はサッカーになるんじゃないか、っていうくらいの盛り上がりだったのを覚えています。
そんな中で、当時私はバレーボールに勤しんでいた訳ですが、バレーボールって夜の体育館で「ママさんバレー」とも一緒に練習するんです。
そのママさんが、年明け早々に大騒ぎ。
話を聞くと、高校サッカーでめちゃくちゃカッコイイ選手がいて、もう黙ってられないという感じでした。
それが、「川口能活」という選手。
ご存知の方も多いと思いますが、後に日本を代表するゴールキーパーになる選手ですね。
冬の高校サッカー選手権大会に、静岡県代表の清水商業高校の主将として出場。
それはもう、伝説になるくらいカッコ良かったですよ。
私自身、それからずっと川口選手が気になって、プレーを見続けて来ました。
やっぱり、カッコイイ。
それは、ビジュアルじゃないんですよね。
もちろん、ビジュアルもカッコイイのは言うまでも無いですが。
私が本当にカッコイイと思うのは、そのスタンスでありブレイクスルー。
今まで、サッカーのゴールキーパーって、どこか「暗い」「技術が無い」「ただデカいだけ」というイメージが強かったと思います。
学校の授業でサッカーをやっても、キーパーはつまらないし、痛いし、交代しながら嫌々やる、という感じで。
でも、それを変えたのが川口選手だと思うんですよね。
正確なキック、フィードからの攻撃の起点。
シュートは前に出て止める、そもそも打たせないフットワークや読み、が鋭い。
ゴール前では超人的な反応で、脅威のPKストップ率。
今まで、「ゴールキーパーだから必要無い、仕方無い」と思っていたところを、どんどん壊していく。
もしかしたら、当時の世界ではそれが当たり前だったのかも知れないですが、まだまだ閉鎖的で情報も少なかった日本で、それが出来たのって本当に凄い。
練習量、勝利への意志、並大抵のものでは無かったはず。
それに、周囲からの反発や稀有な目で見られることも多かったでしょう。
それに対する覚悟があったからこそ、今年まで現役を続けていけたんじゃないかなと。
そしてこれは、雲の上の存在の人の話ではない、私たち自身のテニスだって同じことが言えるんだと、私が考えています。
長くテニスを続けていく為に、必要なものは何か。
T-PRESSではずっと、同じテーマで記事を書いています。
「全てはヒント、全てはアナタ次第」ということ。
自分自身で自己を確立して、ブレイクスルーも厭わない姿勢、がテニスにも求められているんです。
周りがやっていないこと、気付いていないことにこそ、チャンスはある。
ただし、それをやるには強い意志、継続する強さ、周りからの目に耐える力、が必要です。
私自身も、多くのことに迷い、恐れ、立ち止まりたくなる時があります。
でも、そんな私の背中を押してくれるのは、この川口選手のように自ら道を切り開いていったカッコイイ先輩たち。
そして、志同じくテニスにチャレンジする、みなさん一人一人。
私も負けずに、頑張っていきます。
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