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ストローク

試合で実践してみて効果的だった、「ストロークで自分らしさを取り戻す3つの事」

目次

俺が現役時代の頃、試合の出来を左右するものはストロークだった。

当初は完全ストローカーだったからそれは当たり前なんだけど、段々ネットプレーの比率が上がって、ネットプレーヤーになった時も、やっぱりプレーのリズムはストロークで作り上げていた。

だから試合中、プレーのリズムがおかしくなったり精神的におかしくなったりした場合は、ストロークのリズムを調整して立て直そうと思ってやっていたんだよ。

 

試合で実践してみて効果的だった、「ストロークで自分らしさを取り戻す3つの事」

 


 

調整の項目は大きく分けて3つあった。

一つは軸足のタメとトップスピン打つ時のラケットダウンのタイミングを長めに合わせること。

フォアハンドストロークは右足を軸にしたオープンスタンスが主流だったから、その右足の膝をしっかりと曲げて長めにタメを作るんだけど、それと同じタイミングでラケットダウンも長めにじっくりタメを作る。

足と腕の振りをこれによって一体とさせることが出来たし、足からしっかりパワーをもらってラケットを振るという自覚が得られるから調子は上がりやすかった。

もちろん苦手な前足に乗ってのフォアやバックハンドを打つ時も、同じようにじっくりと多めに時間をかけてラケットダウンと共にタメを合わせて打つようにしていた。

 

二つ目はボールの回転量を増やすこと。

回転量を増やすということは、ショットの安定感が増すということにも繋がる。

「回転かけているから、振り抜いても大丈夫!!」そんな意識が湧いてきたら、気持ちも乗ってきて調子も上がりやすいでしょ?

そうなると当然スィングスピードも上がり、良いリズムが生まれやすい。

回転がかかるショットということになると、コートの端も狙いやすくなるんだよ。

だからゲームの組立や展開も作りやすくなってくる。

 

三つ目は「声を出す」ということ。

これはかなり単純で効果は絶大。

自分が打つタイミングに合わせて「アー!」って声を出す。

普段ももちろん声は出すんだけど、調子が悪くてそれを立て直す時にはとくに大きな声でしつこく「アー!!!」って、叫んでいたよ。

でもそうやって声を出す時もタイミングだけはかなり気を付けていた。

声を出すタイミングで重要なのは、ラケットダウンと軸足のタメのタイミングに合わせて声を出すということ。

タメの時間を長めに取って打っている場合は「ア~~~アッー!!!」と、タメの「ア~」と打つ時の「アー!!」で2回分叫んでいたからね。

 



 

そして声を出すことによって、自分の気持ちを「試合戦闘モード」に切り替えやすかった。

黙々と打っていると「俺は大丈夫なんだろうか?」「次はミスしてしまうんじゃなないだろうか・・・」ってついつい、ネガティブな発想も浮かびがちだが、声を張り上げることでそんな暗い闇夜の世界に引きずり込まれないで、なんとか理想のプレーヤーを演じ続けられたのだ。

この「軸足とラケットダウンのタメ」、「回転の増量」、「声を出す」の3つをストロークラリーの中で意識すると、プレーのリズムが比較的簡単に出来上がる。

もちろん、サーブとかボレーなんかも同じやり方で自分の調子を上げることは出来るんだろうが、なんとなくストローク以外のショットはもう少しクールにプレーしてストロークだけ、タメもスピンも声出しも極端にした方が調子は上がりやすいんだよね。

だから試合中、調子がおかしくなってくると、ストロークラリーが多くなるんだけど、タメもしっかり、回転もグリグリ、そして声も大きくなってくる。

 

でもそれを実行すると、「よし、大丈夫だ!」ってすぐに立ち直れることが出来たんだけど、今考えると一種の暗示にかかっていたと思うんだよね。

「これをやれば大丈夫になる」と自分自身でピンチの時に助けてくれる方法ってことで、強く信じていたんだと思う。

試合中って本当に苦しいことが多い。

特に競った試合は気が抜けないどころか、試合の終盤になればなるほど緊張感も高まり、精神的にもキツい。

そんな時に、こうやってストロークを利用した立て直し方法みたいに、細かいところまで決まっている具体的な立ち直り術を覚えておくと本当に便利だよ。

落ちていきそうな自分を何とか踏み止めることが出来るからね。

是非、皆もストロークの時に試してもらいたいが、もちろん他のショットでも構いません。

「これがあるから大丈夫・・・」って思えるショットをちゃんと見付けて、自分に見事暗示をかけられるようにしたいもんだ。

 

■引用元
元プロテニスプレイヤー 高西ともからのメッセージ

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