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全米オープンでの錦織選手の初戦敗退。
ショッキングなニュースが日本中を駆け巡りました。
もっとたくさん試合を観たかったファンも多く残念な限りですが、せっかくですのでここは相手のペア選手に着目。
そこからは、シングルスの試合で格上とされるシード選手との戦い方のヒントが隠されているはず。
個人的な主観も含めまして、ポイントを整理して挙げてみます。
「全米オープン 錦織選手の敗退」に考える、シングルスでのシード選手との戦い方
■格上選手が相手でも、その実力を正確に把握する
今回錦織選手は第4シード。
ランキング40位台のペア選手は、過去に0勝2敗とまだ錦織選手に勝てていません。
それでも彼は、「さぁ、今日はケイを倒すんだ!」と並々ならぬ気合でコートに現れます。
世界ランク4位、前回準優勝選手が相手でも、冷静に今年のグランドスラムの成績を見ると全豪オープンのベスト8が最高。
ツアー優勝であれば、ペア選手自身も経験しており、ランキングほどの差は無いと自信を持っていたのかも知れません。
アナタ自身もこれに学び、いざシード選手と対戦することになれば、冷静に状況を判断すべきです。
学生の大会であればなおさら、シードとノーシードの差はありません。
そこにある差とは、自分を信じる力があるかどうか、試合に勝つという覚悟があるかどうか、です。
■試合の序盤で集中してリードを奪い、中盤を我慢して、終盤の勝負どころにかける!
今回の両者のスコアは、錦織選手から 4―6、6―3、6―4、6―7、4―6。
序盤のセットを落として中盤で盛り返し、第4セットではマッチポイントも握っています。
なのに、なぜ勝てなかったのか・・・。
ペア選手は第2~第3セットで、取られながらもしっかり自分のペースを保ち、相手の観察を怠っていなかった。
錦織選手が何より嫌うのは、リズムが変動的で正統派でないテニス。
そこに徹するように、中盤負けていながらも「この選手は何をしてくるか分からない・・・」とプレッシャーを与え続けることで、マッチポイントを凌いでファイナルセットの大逆転につながった可能性が高いと考えます。
アナタ自身も、まずは序盤に100%の集中力をもってきて、リードを奪うことです。
そこでのリードは、相手に対してプレッシャーとして最後の最後で効いてきます。
試合全体のスコアメイクを、試合前からしっかりイメージしましょう。
■「相手の好きなテニスをしてしまった・・・」と語った錦織選手に、学ぶものとは?
学生の皆さんに、特にお伝えしたいこのポイント。
テニスの試合では、「自分」以上に、「相手」に対して関心を持つようにして欲しいのです。
自分のプレーを100%できたとしても、それが相手の強さを引き出すようなテニスであれば、試合に勝つことはできません。
逆に自分の好きなプレーでは無くとも、相手の良さを消したりミスを誘えるようなテニスは、試合で勝てるテニスです。
今回錦織選手の正統派で正直なプレーは、曲者のようなペア選手にはまりました。
アナタ自身も、自分のテニスとライバルとなるシード選手のテニスをどう噛み合わせるか、じっくりイメージしてみて下さい。
結論には、必ず理由があります。
試合には「強い者が勝つのではなく、勝った者が強い」という言葉があり、今回の試合はそれを考えさせられる試合だったと思います。
ペア選手はドロー発表の後に、「運が悪い」と思ったそうですが、そこからすぐに相手を倒すことに頭を切り替えました。
自分のテニスで、相手に対して有効なことは何か。
シード選手に対して、それは通用するのか。
さぁ、今日の練習から常にシード選手を相手にした試合をイメージしながら、アナタのテニスを磨いていって下さい。