テニス ダブルス

ロブ

ロブは後衛がカバーする、という発想がダブルスを弱くしていく

前衛の後ろ、打たれたロブを後衛がカバーしていく。

これって、テニススクールでも習う、ダブルスの基本ですよね。

私も、すごく大事な基本、だとは思います。

ですが・・・試合に出ている皆さんには、あえてお伝えしたい。

この基本を忠実に実践している限り、試合には勝てませんよ。

ダブルスの試合、前衛のカバーに走る後衛って、実に戦いやすいんです。

 

ロブは後衛がカバーする、という発想がダブルスを弱くしていく

 

1.諦める前衛、汗かく後衛は弱い

そんなに厳しくないロブ、をまず打ってみて下さい。

試合の序盤で、これを確認しておくとすごく楽。

前衛のタイプが、「ロブ=なんでも後衛にお任せ」タイプの選手だと、もう試合は勝ったようなモノ。

だって、困ったらロブ、を上げておけば良い訳ですからね。

後衛が熱心にカバーに走ったところで、それはカバーでしかない。

特にバックハンドで対応しているようなカバーなら、反撃も弱い。

簡単に崩せて、ポイントが取れるはず。

この意識、危機感、皆さんは持てているでしょうか?

 

2.本当に触れないロブ、はアウトになる

テニスコートって、上手く出来ている。

触れるボール、しか、基本的にはインにならないように出来ていると私は思っています。

本当に前衛が下がって触れないようなロブは、アウトになる。

つまり、下がれば触れるロブ、打てるロブがほとんどなんです。

前衛が後衛に任しているボール、それはただの仕事放棄。

もちろん、厳しいロブを打つのは大変ですよ。

でも、ある程度その厳しいロブも打たないと、陣形を崩されて失点する流れは変わらない。

そう思いませんか?

 

3.前衛は下がってスマッシュを打つ、という発想に変えよう

よほど、作戦で前にド詰めする、時は別です。

別ですが、基本は下がってスマッシュを打つ、のが前衛の仕事。

この意識、責任感をまずは持たないと。

「打ったらミスになるし、後衛が粘った方がポイントが取れる気がする・・・」という方も、いるでしょう。

そういうポイントがあっても、良い。

でも、基本はやっぱり前衛はスマッシュ。

下がってスマッシュ、という意識が大前提にないと、試合では相手を楽にさせていくだけ、ですよ。

 

4.諦める前に、下がろうよ

私が試合を観ていると、ロブと分かるともうオートメーション的に任せる前衛が多い。

特に、後衛が実力が上、のケースですね。

ミックスダブルスでは、男性が後衛でカバーするケースも多いと思います。

確かに、その方がポイントが取れる場合もある。

でも、前衛はあくまでしっかり「自分で都度判断」することが大事。

毎回、ロブ=お任せ、という発想は絶対にNG。

こういう相手って、見透かされてますよ。

「上に、スマッシュに自信が無いんだな・・・」って。

 

5.後衛カバーしたときのショットの精度、どうですか?

私が今回、このテーマで書いたのは、後衛がカバーするのってやっぱりしんどい、と思うから。

自分以外のポジションのボールを、動いて拾う、それも攻撃されないようにしっかり正しいコースに返球する。

やっぱり、難しいんですよ。

並行陣でも、雁行陣でも。

それに、カバーに毎回走っていると自分のエリアの守備、対応にも集中出来ない。

いつのまにか、自分自身のプレーが崩れていく・・・感じになりますよね。

そうなると、ペアに亀裂が入る。

対戦相手の思うツボ、な訳です。

 

6.カバーに走るという美学、捨てませんか?

とても日本人らしい、発想だと私は思います。

味方を、仲間を助けてあげるという、カバープレー。

すごく美しく見えますが、結局前衛の選手はいつまで経っても独り立ち出来ない。

「ロブは後衛がカバーしてくれる」という発想しか身に付かない。

いや、それで前にガンガン詰めて、相手にプレッシャーをかけてくれるなら良いですよ。

でもほとんどの選手の方が、そうじゃない、じゃないですか。

後ろも任せてポーチも出ない、オロオロとチェンジして、触れないでポイントがどんどん終わっていく・・・。

そんなダブルス選手、日本中にたくさんいます。

きっと「ロブは後衛がカバーしてくれる」という基本に、甘えてるんでしょう。

私にはそうにしか、見えません。

 

実際に、試合に出ていない人はお任せ、の方が多いと思います。

何より、「テニススクールでそう習ったんだから!」と、なりますよね。

でも、やっぱり試合って別なんですよ。

今回のテーマに共感してもらえる人、反論したい人、色々な方がいると思います。

それで良いんです。

アナタ自身がどう考えて、どう行動を興すか。

全てはアナタ次第です。

ピックアップ記事

  1. 全日本テニス5回優勝!佐藤博康プロにボレーのコツを聞いてみた①
  2. 寒くなる前に購入マスト、なテニス選手に最適なベンチコート3選
  3. テニスのフットワークを支える足元の秘密は、スーパーフィートのインソール
  4. テニスコーチ時代に、最高に憂鬱だったこと
  5. テニス選手の熱中症・痙攣対策に、ミニクーラーボックスは必需品!

関連記事

  1. テニス リターン

    ロブ

    「対戦相手の身長が低いから、ロブを上げておこう」って、なんて安易な発想だろう

    相手の特徴をよく観察して、試合の作戦を決めていく。出来る限り失…

  2. テニス フットワーク

    ロブ

    「トップスピンロブを、使いこなせ」コツさえ掴めば、大助かりの魔法のショットに

    ロブを試合でどのくらい使うだろうか。シングルスの場合は、相手が…

  3. テニス ストローク

    ロブ

    ロブマスターになりたければ、自分の発射角度にこだわりを持とう

    ロブでしっかり、ポイントを獲りたい。そう考える力がある人は、き…

  4. ロブ

    女性にお勧め!トップスピンロブは「両手バックハンドならコンパクトに」打ちやすい理由とは?

    現代テニスでは、ラケットの進化によりストロークの技術がどんどん進歩して…

  5. ロブ

    ロブ禁止で、ダブルスやってみない?

    これは、特に女子ダブルスのみなさんへの提案です。つい、ロブ頼…

  6. テニス ロブ

    ロブ

    攻撃的なトップスピンロブを打つなら、腰の高さくらいの打点がベスト

    試合の中で、しっかりトップスピンロブで攻撃していくとき。もしか…

特集記事

  1. メンタル

    メンタルが強い人は、大事なポイントこそ「どっちでも良い」のスタンス
  2. テニス メンタル

    シングルス

    シングルスの試合でも、実際は「クロスコート半面」での勝負が多い
  3. 日々の雑記

    甲子園決勝を観て感じたこと
  4. テニス ロブ

    サーブ

    サーブを打つときの体重移動は、トスアップと合わせるとリズムを取りやすい
  5. テニス ストローク

    戦術

    カウンターパンチャーの選手に対しては、「あえて自分からは攻撃していかない」という…
PAGE TOP