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いつも頂くご意見の中で、分かれるのはテニスについて考える部分。
「考えることはすごく大事だし疲れるけど、勝つためには大事」という方。
「考えることは楽だけど、実際に練習が大変」という方。
私は最近考えるのですが、スポーツを考えることについて、実は日本人って今まで避けてきた。
それは、学生スポーツを観れば一目瞭然です。
「考えてテニスをすることは、楽である」という誤解
■テニスをやっていれば評価される、日本の学生スポーツ界
10年以上前、全米の大学テニス選抜チームがNCAAから日本に招待され、早稲田大学との団体戦をやったことがあります。
その時に私は大会運営に携わっていたんですが、印象に残っているのがアメリカの学生の皆さんの勤勉さ。
試合の合間にもレポートをやってたし、何より日本の学生よりも大人で博識。
話を聞けば、大学の成績が悪ければ卒業どころかテニスチームとしての活動も一切出来なくなるんだとか。
それも、普通の成績ではダメでAランクの成績が当たり前、尚且つテニスも頑張らないといけない・・・という環境に身を置いている選手を観て、少し悲しくなった記憶があります。
日本との、あまりの違いに。
全員とは言いませんが、日本ではジュニア時代からテニスの成績で学業が免除される。
授業に出なくても、試験に出なくても良い特例がたくさんある。
これでは、勉強しなくなって当たり前。
テニスさえしていれば、良い訳ですから。
■いかにも日本らしい「数学って将来、何の役に立つの?」という話
私も、過去に同じことを考えていましたが、今では恥ずかしい。
勉強すること、が他の何に活かされるのかを知らなかったし、視野が狭かった。
テニス選手でも、どこか日本の選手は「考えること」について浅い気がしてならない。
そして、「考える事は楽だから、もっとオンコートでトレーニングしないと」という感じに偏ってしまう。
しっかり学生時代に「勉強」をするかどうか。
これって、すごく大きな問題になってくると、私は最近改めて危惧しています。
テニスや他のスポーツをやるにせよ、大事なのはアナタの知識や素の頭の良さ。
この部分を疎かにしていては、絶対にテニスは強くなれないと思うんです。
■「考えること」は、最高に疲れるけど、最高に楽しい
試合に出ていて、「シコラー」ってバカにされがちですよね。
特に学生の皆さんは、そういう傾向が強いと思います。
つまり、しっかり考えて試合に勝とうとする、勝てる為に全てをやり尽くす選手が、低く見られている。
これって、日本だけだと思うんです。
海外では、粘れるプレーに対して非常に評価が高い。
考えていないこと、自分の意見を持っていないことに対しては、非常に厳しい危機感を覚えて接してくる。
日本って、自分で考えて決断していくこと、あまり求められない。
テニスは厳しい判断と、決断の繰り返し。
学生時代に勉強、していなかった選手が、大人になって良い練習やトレーニングが主体的に出来るとは思えない。
シコラーをバカにして、考える選手の辛さを分からないままに、考えないテニスで負けていく。
厳しいようですが、これが現実でしょう。
自分は違う、という意見の方も多いでしょう。
実際に錦織選手は超エリートで、勉強なんかしてこなかったのでは?という意見もあるでしょう。
ですが、このサイトを観ている学生の皆さんには、一言だけ。
今しか出来ない勉強、絶対にしておいた方が良いですよ。
テニスにも必ず活かされて、強くなります。