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先ほど終了した全豪オープン4回戦、錦織選手とフェデラー選手の試合。
ファイナルセットまでもつれ込んだ激しい試合になりましたが、試合を分けたポイントはどこにあったのか。
これは、皆さんの中にも意見や考えがあると思います。
何が正しい、というものは無い。
大事なのは、皆さんが自分自身で、自分の意見をもって試合を総括してみること。
ニュースや新聞、解説者の方の言葉を鵜呑みにするのではなく、アナタ自身が考えることが大事なのです。
錦織選手とフェデラー選手の試合、「勝敗を分けたポイント」を考えてみる
1.長いラリーに持ちもうとした錦織選手、それをさせなかったフェデラー選手
私が一番のポイントに挙げたいのは、このポイント。
錦織選手は、意図して長いラリーに持ち込もうとしていたように見えました。
ダウンラインへのウィナー、が得意な錦織選手ですが、意図的に多くクロス方向のショットをラリーの序盤に使っていた。
それを、フェデラー選手も対策を練っていて、しっかりクロスで待ちかまえてカウンター、というのが多かったように思います。
これは、相手のストロングポイントを消すという意味で非常に有効な作戦。
皆さんの試合でも、活かせる部分はあるはずです。
粘りたい相手は、クロスのショットを基本ラインに使って来る、のでこれを消すことがラリーを優位に進める秘策です。
2.単純なミスに気付き、減らしたフェデラー選手の凄み
百戦錬磨の選手でも、試合の序盤は堅くなる。
フェデラー選手は試合の序盤、どんどんブレイクされてスコアを離されましたが、それは単純なミスがあまりに多過ぎた。
これに気付いて修正し、結果的に追い付きましたがファーストセットをタイブレークで落とす。
でもこの「修正力」が、錦織選手に激しいプレッシャーを与えていたのは、容易に想像出来ます。
第2、第3セットはミスを減らしたフェデラー選手が奪取。
これには、第1セットでの後半の修正が効いている、セットを獲れなくても本人が「自信」を取り戻したことが、何よりその後の確実で攻撃的なテニスにつながっているのです。
プロ選手の試合でも、テニスは試合中に修正していくもの、なんですね。
3.一番の勝敗の決め手は、「挑戦者になり切れなかった」錦織選手かも知れない
あえて、私は厳しいことを書きたいと思います。
やはり、この試合にかけるフェデラー選手の想いは強く、錦織選手を凌駕していた。
試合に出ていない時期の飢え、勝利への飢餓感が、ひしひしと伝わって来た。
そしてあの会場の観客、もっと言えば運営側も、フェデラー選手の勝利を願い、盛り上げる錦織選手の敵になった。
テレビ観戦しながら、「なんでこんなにアウェイな感じなんだろう?」と思って観ていた方、多いですよね?
でも、これがテニス。
アジアの小国の錦織選手は、まだまだ「トッププロ選手の引き立て役」でしかない、と思われている。
日本メディアのインタビューには、気を遣って「優勝候補ですね!」とか言いますけど、本音はそう思っていない。
この事実に、圧倒的な実力で立ち向かうしかないのです、錦織選手は。
厳しいようですが、まだまだ高い壁、のそのまた高い壁の向こうに、グランドスラム大会の優勝、があるのだと私は感じています。
「まぁ、自分には関係ない話かな・・・」と思った方、違います。
例えばアナタ自身がシード選手に勝とうとしたときに、周りの観客は一気に敵に回る。
「この選手が、負けてはいけなんだ!」と思うようになって、応援をハッキリさせる。
つまり、競った試合だと結果は苦しくなる。
圧倒的に、相手を凌駕して勝つしかないのです。
今日の錦織選手は、出来れば競った試合にはしたくなかった・・・結果論ですが。
テニスというスポーツは、本当に厳しい。
実に厳しい、スポーツですね。