テニス

ボレー

「ノーバウンド?ハーフボレー?どっち?」テニスのネットプレーで必要な柔軟性を考える

「ボレーで足元にボールが来た時、ノーバウンドかハーフボレー、どっちの方が良いんだろう?」

以前いたテニススクールの会社の研修でそんなテーマが出たことがあり、その時は2時間くらい熱い議論が交わされた記憶がある。

その2時間の議論の中で、俺は「返球出来ればどちらでも良いのに」ってちょっと冷めて聞いていたんだけど、今そのテーマで話をする場合、もうちょっと付け加えて話をしたくなる。

基本的には「返球出来ればどっちでも良い」というスタンスなんだけど、この返球出来る確率を上げる為には、まずはノーバウンドで処理するボールとハーフボレーで処理するボールのボーダーラインが、ちゃんと作られてないといけない。

同じ足元のボールでもバウンドする場所によって打ち分けをしないといけないからね。

 

「ノーバウンド?ハーフボレー?どっち?」テニスのネットプレーで必要な柔軟性を考える

 


 

そもそもノーバウンド処理とハーフボレー処理と、技術的にも戦術的にも有効なのはどっちかと言うとノーバウンド処理だ。
相手ショットの威力を利用しやすいし、タッチも分かりやすい。

タイミングもバウンドさせない分、前で取れるからちょっと早いタイミングで返球出来るしね。

なので、ノーバウンドとハーフボレーとどちらも選べるような微妙なボールが飛んで来た場合は出来るだけノーバウンドを選んでもらいたい。

で、ノーバウンドで取れないくらい前にボールが落ちた時には、ハーフボレーの選択をする・・・という考え方がまずベースにあって欲しい。

となると、ノーバウンドかハーフボレーかの判断力を養う為には、その前に相手が打った瞬間、そのボールのバウンドがどの辺りになるのかというバウンド地点を見極める力も必要ってことだね。

 

基本的にはノーバウンド処理の方が有効ではあるんだけど、何でもかんでもノーバウンドって訳でもない

例えばとっさにネット際へドロップボレーを落としたい時には、わざとノーバウンド処理出来るボレーをハーフボレーに切り替える
こともある。

足元ノーバウンドのボールをドロップボレーするよりも、ハーフボレーの方が明らかにボールの勢いを殺しやすいからね。

となると、ボレーにいる時はノーバウンドで処理するための前の打点と、あえてハーフボレーにして殺す為の後ろの打点、二つ用意されていることが必要になるってことだね

でも打点を前後に2種類用意することって、ローボレーに限らず他のボレーでも必要なんだよ。

例えば打点を前で取ればクロスにボレーしやすいし、ちょっと遅らせれば逆クロスに流しやすいし、いつも取っている打点よりも急に大きく前へ打点を変更すると、タイミングが超早いポーチ系のボレーになる・・・といった感じ。

打点を複数前後間の中で用意しておいて、とっさに使い分けるという技術は戦術面でも必須アイテムなんだよ。

ということで「足元にボレーが来たらノーバウンドかハーフボレーか」という話になったら、俺はこう答えるね。

 



 

「選べるなら基本的にノーバウンドでボレー。でもハーフボレーという選択肢も常に持っておくこと。」

それをするためにはバウンド地点の判断力、状況を読める力、各ボレーの特徴の把握、打点を複数用意しているかが重要になる。

特に足元のボレー処理の苦手な人って、共通しているのが「ノーバウンドで処理する方がお得」って考えを持っていないこと。

迷った挙げ句に落としてハーフボレー・・・ってパターンが多いんだけど、そうなると打点が詰まってネット超えなかったり、超えてもフワッと浮き過ぎで相手ボレーに叩かれたりするのをよく見掛ける。

たくさん練習しなきゃいけないのは当たり前だけど、ノーバウンドとハーフボレーの特徴の違いと優先順位をちゃんと把握して、臨むことが大事なんだよ。

サービスダッシュやレシーブダッシュの時に避けて通れないこの課題、しっかり頑張ってね!

 

■引用元
元プロテニスプレイヤー 高西ともからのメッセージ

ピックアップ記事

  1. テニス選手のフットワークを支える、足首サポーター「ASO」
  2. KT TAPE(ケーティーテープ) を使って、テニスの試合で酷使する「膝関節」を…
  3. 雨でコートが濡れていてもテニスがしたい!方にお勧めの「ウォーターバキューマー」
  4. テニスの試合に必要なフットワークトレーニングに、ラダーは必需品
  5. 暑くも寒くも無い時期には、「アームカバー」で体温調整を

関連記事

  1. テニス ボレー

    ボレー

    ネットプレーが上手そうな相手でも、「球速が遅いスライス」が打てれば泳がせてミスを誘える

    遅いボールは打ちやすい?きっとテニスをやっている人は、この答え…

  2. ボレー

    フラットボレーは、肘を伸ばして打ち終わろう

    相手コートに押し込むボレー、フラットボレー。しっかりとネットに…

  3. テニス 練習

    ボレー

    テニスにおいて、「ボレー対ストロークのラリー練習が続かない」人が見直したい4つの意識

    テニスの練習、球出しからラリー練習まで様々ありますが、最初の「壁」とな…

  4. ボレー

    軸足が前に出ていくボレーは、試合で相当使える!

    決定力があるボレー、ネットプレー。みなさんも、試合で取り入れ…

  5. テニス ボレー
  6. テニス ストローク

    ボレー

    ネットに詰めてブロックボレー、試合でもっと使っていこう

    テニスの試合、特にダブルスで使えると大きな武器になるショット。…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

特集記事

  1. テニス 客観視

    その他

    30歳からのテニスは、「衰えを受け入れてこそ」試合に勝てる技術が身に付いていく
  2. ロブ

    人がロブを打ちたくなる瞬間、には法則がある
  3. テニス サーブ

    メンタル

    世界50位のミーシャ・ズベレフ選手が、マレー選手に勝てた「決断」について
  4. テニス メンタル

    その他

    久しぶりにテニスをすると、なぜ調子が良いのか?
  5. サーブ

    ボディサーブが無いと、リターンは楽
PAGE TOP