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普段、何げなく試合中や練習中にコート脇に置いてあるラケットバッグ。
全日本選手権やAIGオープン(現楽天オープン)にて主審を務めた筆者が感じるのは、そのさりげないラケットバッグにこそ、その人の強さが現れるということ。
整理整頓できている、という言葉で片付けてしまうのは簡単ですが、いったいどのような意識がそうさせるのか。
そこにあなた自身がテニスを強くさせていくヒントがあるかも知れません。
「テニスの試合で勝ち抜く人」のラケットバッグは美しい
1.1分1秒をムダにしない、「バッグ内の配色」を意識する
テニスの試合ではコートチェンジは90秒。
この90秒内で、水分補給から何からすべてをこなさなければいけません。
靴ひもが切れたり、急にグリップを巻き直したり、簡単な怪我の治療・・・と、テニスでは様々な急なタスクが降ってきます。
そんなとき慌てずにバッグ内を探すには、日ごろから中身を分かりやすくしておく必要があり、そのコツが「配色」です。
蛍光色で小さい袋に分けたり、あるいはバッグの中の色自体を蛍光色にしたり、とにかく探しやすく手に取りやすいよう試合前からセットされています。
めったに使わないものこそ、実は大事な試合中に必要になったりするかも・・・。
備えあれば憂いなし、です。
2.ラケットバッグの中に「ゴミは絶対に溜めない」こと
テニスの大会ではどうしても昼食をコンビニで買ったり、食べる時間が無くてそのままバッグで1週間眠ってしまったり・・・ということがおきてしまいます。
その他小さいゴミもつい、外側のポケットに詰めてしまってはいないでしょうか。
こういった小さい積み重ねが、あなたの心に隙を生んでしまうかも知れません。
「何かを持ち越している」「やり残している」という要素を試合に持ち込んでは、勝てる試合も勝てません。
たかがゴミ1つで・・・と思う方もいると思いますが、侮ってはいけません。
メンタルは小さな綻びから大きく崩れていくものなのです。
3.ラケットバッグは「必ず閉める」、「上にモノを載せない」、「斜めに置かない」
テニスはウエアを着替える機会も多いスポーツ。
つい、脱いだ上着をそのままラケットバッグの上にバーンと放り投げていませんか?
またはラケットを取り出した箇所のファスナー、きちっと最後まで閉めていますか?
こういった細かい部分も、しっかりと「締める、閉める」癖をつけましょう。
特にジュニアの選手に多いのですが、大きな大会でもラケットバッグにウエアが覆い被さっているケース。
将来有望の選手でメーカーと契約しているのであれば、商品を協賛・支給してもらうという意味を、考えて行動しなければいけません。
4.テニス用具には「見えない魂」が宿っている
スポーツ用具・器具を大切にしない選手は大成しない、という言葉をよく聞きます。
テニスもまさに、同じことが言えるでしょう。
悲しいかな、テニスというスポーツはボールにガット、グリップテープ、シューズと、他スポーツに比べて消耗品が多く、新しいものを買って変える、という習慣が自然と根付いている部分もあります。
とはいえ、ラケットバッグは丁寧に使えば5年は楽に使える代物です。
あなたのラケット、シューズ、ウェア、その他の大切なものをたくさん入れておく、まさに相棒そのもの。
大切に扱うことで、あなたの試合に対する意識もきっと大きく変化していくことでしょう。
シングルスの試合で、私が昔意識していたのが「ラケットバッグベンチコーチ」の意識です。
ラケットバッグは自分の味方、いつでも助けてくれる。
だからこそベンチにしっかり丁寧に設置して、自分のほうを向いているように思えるまでにする。
実際に、細かい部分を準備・意識することで、競った試合は必ず勝てるようになります。
テニスは準備のスポーツ。
最高の準備をラケットバッグに詰めて、さぁテニスコートに行きましょう!