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今日もまた一つ、誤解を解いておきたいと思います。
よく、「あの人のテニスセンスは、凄い!」と言われる人、いますよね。
アナタが目標にしている人、かも知れません。
ですがこの「センス」という言葉、実に危険だと私は思いますよ。
まるでその人が、練習もしないで感覚だけで打てるショットの背景、みたいな感じで話されていること多いですからね。
それは大きな誤解ですし、アナタ自身危険な発想です。
生まれながらに持った発想、感覚、能力に、大した差はありません。
テニスではセンスこそ体系化出来るし、理論化出来るはず
1.センスでプレーしている人なんて、本当はいない
試合で勝てるレベル、の選手になったら、まずいないでしょう。
センスで軽くボールをさばけるほど、テニスは甘くない。
華麗なタッチプレーほど、その選手は意識して熱心に取り組み、練習して自分のものにしている。
それを、周りは「センスの塊」みたいな表現で讃えている。
だって、「根気よく練習すれば、誰でも打てるショット」なのに、諦めてくれる人が多い訳ですからね。
センスが良いと言われる選手ほど、練習している。
そして、そうやって周りの努力の結晶を「センス」という言葉で軽く片付けてしまうアナタこそ、センスが無いということ。
勝負を投げている、に近いと思いますよ。
2.相手のセンスを敬うと、「諦め癖」が付いてしまう
試合の中で、これが怖いんですよ。
例えばアナタ自身、Aさんという人はすごくテニスセンスが良い、上手い選手と自覚しているとしましょう。
そんなAさんといざ、対戦すると・・・どうでしょうか?
Aさんが打つボールは、どれもセンスあふれるボールに見えて、追えなくなるんですよ。
ドロップボレーを打たれたら、「きっとAさんのタッチだから、取れない場所に打たれるな・・・」と思っているから、追えない。
格上相手の、典型的なダメな例ですね。
相手のイメージが先行し過ぎて、諦める理由を勝手に作って負けていく。
間違いなく、Aさんは楽ですよ。
それに、一生懸命タッチ系のプレー、練習しているはずなんです。
3.センスが良いと呼ばれる人ほど、そのセンスを理論化している
私が話してきた感じだと、こうなんですよね。
センスでプレーしている、ような選手ほど、しっかり考えている。
タッチ系のプレーを、いかにミスしないか、ミスを減らせるか、自分なりの理論を持っています。
感覚だけでプレーするなんて、危険過ぎですよ。
周りから見れば、すごく良い感覚で打っているように見えるショット・・・こそ、実は手堅く打っている。
そう考えると、何が出来るでしょう。
センスの良い選手ほど、色々考えてプレーしている、だからこちらのプレッシャーも効きやすいし、勝負出来る。
何より、相手が練習して来たショットなら、自分もしっかり練習すれば必ず打てるようになる。
「センスが良い人」は、宇宙人でも何でも無い。
私たちと同じ、人間臭いテニスプレイヤーですから。
4.タッチ系のショットを、自分なりに理論化してみよう
私はこれに、取組続けています。
言葉で、そして図で、色々なことで可視化して、具現化する。
タッチの感覚を、なるべく自分の中で納得いく形で落とし込みたい。
そうすれば、試合でも修正出来ますからね。
試合で修正出来ないモノ、は本当に感覚でしかない。
感覚が悪い日は勝てない、ということになりますね。
それが嫌だから、ドロップボレー1つ取っても「ここは外さない」というポイントを作っておく。
それは、アナタ自身の仕事です。
私はヒント、を出すことしか出来ませんので。
5.技術的なセンスよりも、性格的なセンスに目を向けてみよう
つい、私たちはテニスの技術にばかり目がいきがちですが・・・。
性格としてのセンス、も私は大事だと思いますよ。
むしろ、社会人や大人になってからは、このセンスが無いとキツイ。
例えば、ちょっとしたところで気が利くようなセンスがある人は、自然とテニスも強くなる。
それくらい、日々周りを観察して人を見ている、ということですからね。
このセンスは、なかなか教えられない。
でも、みなさんもちょっとした意識で、行動で、性格的なセンスは変えていけると思います。
誰かが困っていたら助ける、コート整備を率先してやる、誰も気づかないような場所からボールを拾う・・・。
そういうポイント、を見付けるところこそ、まさに「センス」ですね。
テニスのセンス、これは間違いなく体系化出来ますし、可視化出来ます。
そしてトレーニングで鍛えることが出来る、「センスが良い」なんてのはあくまで結果論。
センス、という言葉に甘えないように、私たちも努力していきましょう。
そしてセンスが良いとされる、努力家で本物のテニスプレイヤーを、倒していきましょうよ。
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