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ショットの質を上げようと、皆毎日しっかり練習していると思う。
そりゃそうだよね。
ショットの質が上がれば、ただ相手と打ち合っているだけで相手を追い込むことが出来て、チャンスになる可能性が高くなるんだから。
でも「ショットの質」って一体何を指すんだ?
テニスの試合で本当に効果的な、「凄いショットは凄いバウンド」という事実について
一番に思い浮かぶのはやっぱり「パワー」、スピードかな?
でもショットの質ってスピード以外にもっと大事な要素があるんだよ。
それは「バウンド」なんだよね。
バウンドがレベルアップすると、バウンドしたばかりのショットが打ちにくくなるということだ。
例えばトップスピン系のストロークのバウンドの質が上がるということは、よりバウンドがより高く弾むということになり、スライス系の場合はバウンドした後の伸びがよりしっかり伸びていくということになる。
そうなると、踏み込んでライジング系で打ちたいって思っている人はちょっと踏み込みづらくなり、結局下がって待ってしまうということになりやすい。
バウンドの質を上げることは、相手の攻撃的なショットを封印するということに繋がるんだよ。
俺がスペインに行った時、世界ランキング200位台の選手と練習をしたことがあった。
その時、単なるベースラインとベースラインでストロークラリーを打ち合っただけなんだけど、もう返すだけで精一杯になったのを今でも覚えている。
一見ゆっくりに見える彼のショットなんだけど、そのショットにはかなりのトップスピンの回転が掛かっているので、想像以上にバウンドするんだよ。
単なる速いショットだったら、タイミングを合わせやすいがバウンドが高く弾むと、スピードよりも合わせるのは厄介だね。
皆も相手ショットがしっかりと伸びてくるスライスだと踏み込みにくいって思ったことない?
それを利用してアプローチなんかでスライスは使われる。
踏み込んでしっかり打つことが難しいと、相手も良いパスを打ちにくくなるからね。
じゃあそのバウンドの質を上げるためにはどうすれば良いかと言うと、ボールの回転量を増やすことだ。
でもただ回転量を増やすだけじゃダメだ。
トップスピンもスライスのアンダースピンも縦の回転が必要となる。
そのためには体の向きをしっかり横に保つこと、スィングは前後よりも上下動を意識して行うことが大事。
それから当然回転量が増えた分だけ、ボールのスピードは失速するわけだから、フルスィングはするけどそれは回転のためであってスピードを出すためじゃない。
だからエースを狙ってばかりいる人は、バウンドの質が上がりにくい。
相手と打ち合うことを前提にしないとバウンドの質は上げられないから気を付けよう。
打ち合うけど相手は踏み込んで打てないんだから、有利にラリーを進めていけるはずだから、バウンドの質を上げるってことは、ディフェンスの時や相手と互角に打ち合いながら、チャンスを引き出す時に有効なショットって言える。
相手が取れないショットではなく、相手が取りにくいショットが打てるようになるんだよ。
これって試合の中で重要でしょ?
バウンドの質が上がれば、ゆっくりのショットでも相手は攻撃しにくくなるどころか、下がってくれたりする
先程も言ったように、アプローチで利用したり、自分が苦しい状況の時に、次の攻撃を妨げたりすることに繋がるよ。
アプローチで速いショット、苦しい場面でもパワーショットを打っている人は、逆にカウンター食らったりミスしやすいでしょ?
バウンドの質を高める練習をしっかりね。
■引用元
元プロテニスプレイヤー 高西ともからのメッセージ