戦術

データはあくまでデータ、答えじゃない

先日、こんな会話をする機会がありました。

「データでは、相手はこうだと思ったんですけどね…」と。

まず、データを取れている時点でその方は素晴らしいですし、しっかり試合の中で相手を観察できているんだと思います。

でも、でも…です。

やっぱりデータって、あくまで参考データなんですよ。

それが答えではないし、あくまで自分の判断が最後は決め手になる。

データは大事、でもそれに頼り過ぎても試合では勝てない。

テニスの試合は、残酷ですね。

相手から「もらった」データかも知れない

そう、みなさん自身が自分で炙り出した、取得したデータだと思っていても…。

相手からすると、あえて「与えた」データかも知れない。

1セットマッチのような試合では、序盤と終盤で相手のプレーがガラッと変わることはありますよね。

当然、相手も考えてくる。

試合で勝ち進んでいけば、経験豊富な策士との対戦ばかりです。

アナタ自身が取得したと思っているデータでも、それは相手の作戦の一部なのかも知れない。

相手からもらったデータで、それを信じて勝負どころで失点してしまう。

これは、残酷ですが経験しないと分からないことでもあるんです。

それくらい、勝負どころの場数を踏むってテニスでは大事なんですよね。

もっと大事なのは、その「やられた」経験を自分自身で活かすこと。

これしか、次に繋げる道はありませんから。

自分の「勘」を研ぎ澄ませる

文章で書けるほど、私は有能ではありません。

なんて書けば良いのか…すみません、自分の実力不足を先にお詫びさせてください。

相手のデータを参照して、最後に自分の勘を信じる。

「今までこうだったけど、この試合の終盤ではこうじゃないか」という勘を、どこかで働かせたいんです。

「いや、そんなの難しいでしょ」と思うと思います。

でも、それが楽しいと思えないとテニスって上達しないんですよね。

もっと言えば、試合で結果が出ない。

相手の考え方に入り込んで、脳みそまで入っていくようなイメージで、勘を働かせる。

特に前衛で、どのタイミングでポーチに動くか…は試合の勝敗の直結するでしょう。

そこでデータも加味しながら、そのデータを疑うことも出来るかどうか。

アナタ自身、試合であと1ポイントが取れるかどうかはこういう意味合いが大きいと思います。

逆の立場で考えると、データは「使ってもらう」

当然、対戦相手もアナタ自身を分析してきます。

ダブルスなら2人で分析してきますから、データはどんどん溜まっていく。

それを防ごうなんて無理ですから、使ってもらい、後半にはそのデータの逆のことを作戦として実行したいですよね。

そう、試合って前半と後半で人格を変えた方が良いんです。

もう、別な人間になるくらいの意識で良いでしょう。

それくらい、強い相手は慣れるのが早いし後半に調子を上げてくる。

逆の立場で考えると、自分のデータを使わせて勝つくらいの上から目線でいきましょう。

そんな実力、自分にはない?

そんなことはないはずです。

今のアナタ自身のプレーを、ちょっと特徴付けて前半に何かしらの印象を相手に与えるだけで良いんです。

これは、試合でいきなりやろうとしても無理。

普段の練習から、自分でアクセントを付けて相手と駆け引きをする。

メッセージを送る、相手とのラリーを会話のように行う。

これを意識するだけで、もう習慣になりますから。

データはあくまでデータ、その人間の全てじゃない。

答えは自分で出していく、当然間違うこともあるでしょう。

でも良いんです、それで。

自分で決めて、自分で実行するということが、正解なですから。

日本人がどこか、苦手にしている部分かも知れませんね。

だからこそ、チャンスなんです。

ピックアップ記事

  1. これからの梅雨の時期に、準備しておきたいラケバ用レインカバー
  2. テニスのコーチ、指導者の方にオススメしたい、「ボトムアップ理論」の名著
  3. テニスの試合に持参すると便利な、折り畳みチェア3選
  4. ベイビーステップ 46巻 は、シングルスの試合の駆け引きの描写が秀逸
  5. 5/7(水) 高西コーチ 女子ダブルスレッスン&ゲーム会 in 世田谷レ…

関連記事

  1. テニス スマートフォン

    戦術

    自分の力を知ることが、テニスでは凄く難しいということ

    自分の実力を、正確に把握するということ。これは、テニスでは実に…

  2. テニス スマッシュ

    戦術

    ノーアドバンテージ形式の試合は、とにかく「先行型」が大前提

    テニスの試合、大きく分けて二つあると思います。一つは、デュース…

  3. テニス メンタル

    戦術

    「とにかく、試合で何をしたら良いか分からない」人は・・・?

    試合に出ると、頭が真っ白になる。何をしたら良いのか分からない、…

  4. テニス メンタル

    戦術

    テニスの試合中に一番まずいのは、「思考停止」に陥ること

    テニスの試合の中で、考えながら進めていくこと。コートを離れてい…

  5. テニス メンタル

    戦術

    環境や雰囲気に、自分の感覚が流されてはいけない

    試合には、流れがある、とよく言われます。確かにテニスも、それほ…

  6. テニス メンタル

    戦術

    テニスのルールは、「いつも自分の味方!」という意識

    テニスのルール。皆さんも試合中、ほとんど意識することは無いです…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

特集記事

  1. テニス 練習

    サーブ

    「女子選手でも、サービスキープ率を上げていきたい」ときに意識したい、試合で使える…
  2. テニス ダブルス

    その他

    錦織選手の実力について、アナタはしっかり「自分の意見」を持てているだろうか?
  3. テニス ボレー

    ストローク

    両手バックハンドのストロークを振り切れない人は、テイクバックから更に肩を入れよう…
  4. メンタル

    都合の良い予測の癖こそ、怖い
  5. テニス メンタル

    リターン

    リターンで構えた時に「ラケットをクルクル回す」、のにはちゃんと意味があります
PAGE TOP