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長い夏休み、たくさん練習出来たと思うけど、その分しっかり成長は出来ただろうか?
この夏休みの練習で培ったことを、しっかりと本番の試合で発揮してもらいたい。
「練習だけじゃ完成されない」テニスの技術は試合で使って初めて身に付いていく
そんなことを言っておいて何なんだけど俺の経験上、長い期間しっかり練習しても、その練習の中で何かを生み出した・・・という思い出は少ない。
殆どが本番の試合の中で生み出したんだよ。
初めてトップスピンサーブのコツを掴めた時も試合中だった
まだ高校生の頃だったんだけど、凄い勝ちたい試合で、何とかレシーブに打ちこまれないようにしていたら、トップスピンサーブになっていたんだよ。
ボレーの手応えを感じたのも試合中だった。
どういうタイミングでネットに出て、どのコースにボレーを打てば効果が高いのかを、苦しみながら考えて相手との駆け引きを行っているうちに見付けたのだ。
試合の中で本当に欲しいショットって、単なるパワー系のショットじゃないでしょ?
安定感も欲しいしコントロール力も欲しい。
決める為のショットも欲しいけど、相手にやられないようにするショットの方が重要だったりするでしょ?
でもそれが試合じゃなくて練習中だと、どうしてもパワーや質に重きを置いてしまう。
でも本番の苦しい状況の中では、本当に必要な「安定感とパワー」が、ちゃんとバランスよく揃ったショットだったりするんだよ。
でもだからと言って、本番で生み出したショットはそれまで全く練習をしてなかったかと言うとそうではない
練習で沢山打っていたからこそ、本番で完成されたのだ。
なので、皆も練習の中では変わらずしっかり練習してもらいたい。
でも「出来るようになった!」なんて練習中には思わないでね。
その手応えをしっかり本番の試合の中できっちり使えるかが重要なんだから。
意外と練習では上手く出来ていても、本番では使えないからね
でも諦めず四苦八苦しながら、もう一度試合の中で修正とか調整しながら頑張っていると、あるタイミングで急に「あれっ!今の感じ・・・」ってさらっと出来るようになっちゃったりするもんだよ。
そこで初めて「完成」となる訳だ。
と言う事で、この長い夏休みで培ったショットや技をモノにするために、これからどんどん試合に出場するか、もしくはマッチ練習を行ってドキドキ場面できっちり使って、苦しみながら本物を完成させてくれ。
世の中はそんなに甘くない代わりに、もがき苦しんだ中から何かを掴み取ると、そう簡単には忘れないもんなんだよ。
■引用元
元プロテニスプレイヤー 高西ともからのメッセージ