少し前の話になりますが、先週末に行われた陸上の日本選手権。
男子100mに注目が集まっていた大会で、ご覧になっていた方も多いと思います。
そこで決勝の第3レーン、の選手に「ん?」と思った方もいるんじゃないでしょうか。
高橋周治選手、現役の医学大生で愛知医科大学の所属として、アナウンスコールをされている姿が、そこにはありました。
日本スポーツ界では珍しい、スポーツ最高峰の舞台で現役の医大生として出場。
これって、本当に難しいこと・・・なんじゃないかなと、私は改めて思いました。
もちろん、勉強を続けながらのスポーツ、自体も難しいのは明らかですよね。
人の倍、いやそれ以上の行動力と継続力、が無いと続かない。
そのどちらかでしっかり成績を残す、実績を出すだけでも難しいのに、両方となると・・・本当に頭が下がります。
でも、それを難しくしているのは、実は日本という国の風土なんじゃないかなと、改めて感じます。
「初志貫徹、何か一つのことを続けること、極めることこそが美徳である」という風潮、根強くありますよね。
テニス界でも一緒です。
私自身、色々試行錯誤しながらプレースタイルを変えたり、ときには違う種目の選手やコーチから話を聞くようなタイプでしたが、よく「一貫性が無い」「継続性が無い」と注意されました。
何が正しい、というのはもちろん無いと思いますが、「色々なことにチャレンジして、全て成功する」というのは、日本には無い文化なのかなと。
よく、「文武両道、日本に無し」とスポーツ界では海外から揶揄されていますが、それも否定できないでしょう。
今回のような高橋選手は稀なケースで、ほとんどのスポーツ選手がテニスに限らず「大学の宣伝になれば、成績は二の次」なのが、悲しいかな現状です。
結果的に、スポーツ界全体で人材が育たない。
私もあえて、言わせてもらえば、出会いが少ない中でも「テニス界で、本当に尊敬出来る人」はすごく少ない。
人間的に、自分を刺激してくれる、成長させてくれるような人には、ほとんど出会えたことがありません。
皆さん、テニスに対してはすごく一生懸命だし、熱心。
でも、それだけ。
だからこそ、私は今、この文章を読んでもらっている人にお伝えしたい。
テニスだけ、に収まらないで欲しい。
全ての人生は、色々な体験や経験はきっとテニスの役に立つ。
だからこそ、テニス以外にも興味があること、どんどん挑戦して2足、3足の草鞋を履いて人生を歩んで欲しい。
きっとテニスも、それに応えてくれるでしょう。
先週末の100mの決勝レースを見て、ふと感じたこと。
陸上界・・・面白い子いるじゃん!
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