その他

「ラケット選びは新しい自分との出会い」テニスの試合で強くなる自分とラケットの関係

高校でテニスを始めたキッカケは単に両親、特に父親のラケットが家の中にゴロゴロとたくさん転がっていたから。

新たにテニスを始めても、道具を買う必要はないと思ったのだ。

初めて自分のお金でラケットを購入したのは20歳のとき。

 

「ラケット選びは新しい自分との出会い」テニスの試合で強くなる自分とラケットの関係

 

買ったラケットはHEADのラジカルツアー。

当時、ボウズにしたばかりのアガシがガンガン打ちまくっていたのと、一緒に練習していた先輩コーチが使っていた事に影響を受けて購入。

試打?

もちろん行ったけど、「うん、これは打ちやすい」って、ハナから打ちやすいって決めていた感があった気がする。

とにかく「カッコいい」ということで決めた。

その後ウィルソン、トアルソン、ダンロップと渡り歩き、スペインでプレーしている時にHEADのプレステージを試して、それ以来ずっとプレステージである。

ただプレステージも何度かモデルチェンジが行われたので、その都度試しながら、最終的にはプレステージのミッドからプレステージのミッドプラスに変更となった。

ミッドのラケットはフェイス部分が一番小さくて、ミッドプラスとなると少し大きくなる。

これに換えた大きな理由はネットプレー重視となったため

ストロークの振り抜きだけを考えると、ミッドの方が格段に気持ちよい感触なんだけど、ボレーのタッチで言うとラケット面にボールが乗る感覚が安定しているように感じた

ミッドプラスの方が心地よくて扱いやすかったのだ。

ネットプレーを重視するようになった俺としては、ミッドプラスが最高のラケットだったのだ。

じゃあ、あまりボレーが得意じゃなかったまだ若かりし頃の俺はミッドプラスよりミッドの方が合っていたのか・・・と言うと、現在はそうではなかったんじゃないかなって思う。

当時はボレーが苦手だったから、試打の時もほぼ得意なストロークで感触を試していた。

サーブも「より速く打てるものを」というコンセプトで試していたけど、それはただ自分に合ったラケットを探しているのではなく、単なる得意な物に合わせたラケットを選んでいる・・・ということなんだよね。

言い換えれば不得意なものにとっては、とても不親切なラケット選びと言えるんだよ

もしかしたら、こういったラケット選びのために、不得意なものをより苦手に感じてしまっていた可能性もある。

ネットプレーを重視するようになって初めて、ボレーの感触を試打の中で重要視するようになったんだけど、それだけでなく2ndサーブやスライスショット、振り回された時の安定感や相手の鋭いショットの受けた感触なんかも試すようになった。

おかげで試打期間も2ヶ月くらいかけて行うようになった。

だって一度の試打では、その日の好不調で結果が大きく変わるでしょ?

出来ればその試打ラケットで試合も出場しておかないといけないし、ストリングを違うのに張り換えて試すこともやっておかないといけない。

とにかくテニスは色んな場面、状況が考えられるし、そもそもテニスの試合の中ではあまり得意じゃないショットをし続けないといけない場合が多い

そう考えると、苦手ショットや地味なショットに重きをおいたラケット選びもちゃんとしておかないといけないんだよ。

まだネットプレーが苦手だった頃の俺は、「ボレーが苦手だから、得意なストロークを」って発想だけじゃなく、ボレーが下手な俺でも使えて、しかも得意なストロークが活かせる、そういうラケットの選び方をするべきだったのだ。

最近は仕事柄、色んな種類のラケットを試すようになったんだけど、打ってすぐに「これ、俺に合わないな」って思っても

「どういうプレーをするとこのラケットが使いやすく感じる?」

というふうに、そのラケットが活かされるショットやタッチを探すようになった。

これが意外と面白い。

ストロークで良い感触が得られなくてもボレーだと扱いやすかったりすることもあるし、スィングスピードが速過ぎると打ちにくく、ゆっくりで厚い当たりだと好感触なんてのもある。

踏み込んでコンパクトなスィングにすると、よりラケットが活かせたりすることも最近のラケットでは多いしね。

とにかく大事な事は、そのラケットがどういうコンセプトでどういう場面に効果を発揮するように作られているか、を探る能力を身につける事

自分のテニスがまだまだ完成されていないと感じている人が殆どだと思うんだけど、そんな人が今現在のテニスの範囲内だけで「俺はこれだ!」ってラケットを選ばないでもらいたいね。

今は苦手と感じているショットもそのうち得意なショットになる場合がある訳だし、その苦手なショットを上手くサポートしてくれる、そんなラケットを選ぶ事は大きく自分のテニスを成長させてくれる可能性が広がるってことなんだよ。

もちろんそこで得意なショットも活かしてくれることも重要だけど、得意なことにばかり目を向けて、苦手なものには興味無しという選手は試合も絶対に勝てないからね。

新しいラケットを選ぶということは、自分の思い描いていることを実現させることではなく、「新しい自分との出会い」を演出してくれる。

そう言う気持ちで、ラケットの特性を上手く今後の自分のテニスに開花させよう。

 

■引用元
元プロテニスプレイヤー 高西ともからのメッセージ

 

■メールマガジンでも配信中です

メルマガ購読・解除

関連記事

  1. その他

    テニスの試合、「見ていて気持ちの良い選手」は、コードボールに対する振る舞いが秀逸

    私は以前、テニスを始める前にはバレーボールをやっていました。今…

  2. その他

    「試合に勝てる雰囲気」がある選手と、「負けそうな雰囲気ばかり」な選手は何が違うのか?

    テニスの実力がある選手は、試合会場でも良い雰囲気を出している。言葉…

  3. その他

    「結果を出せよ!エリートも初心者も。」テニス部の部活動について

    「てにすまんプロジェクト」で色んな学校に訪問して部活の指導を行うように…

  4. その他

    もしこの記事を読んでいるアナタが一年生なら、「上級生について行けば良い」という考えは止めよう

    アナタ自身がもし一年生なら、練習メニューは上級生が決める?その時点…

  5. その他

    「これが意外と使える!」テニスの試合会場で役立つモノ

    テニスの大会では、会場での待ち時間も長くなってしまいがちですよね。…

  6. テニス メンタル

    その他

    テニスコート脇で「スウェットばかり履いている人」が、大事な試合で勝てないその理由について

    私が大学に進学した15年前くらいから、目立ち始めたこの光景。か…

スカイクレイパー広告枠

  1. テニス メンタル

    その他

    テニスの練習では、「自分が打ったボールは凶器と化している」ことを知っておかないと…
  2. テニス 客観視

    Q&A

    Q&A「自分はオールラウンダーだと思っていますが、武器がありません・・・…
  3. ストローク

    「ドロップショットのちょっとしたコツ」テニスの試合では身体が勝手に反応できるとベ…
  4. その他

    テニスの試合では「対極のショットを同じ構えから組み合わせる」ことで、相手を惑わす…
  5. シングルス

    「冬場の戦いは、シコラーに不利」という現実を、しっかり覚えておこう
PAGE TOP