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全仏オープンの錦織選手の試合、残念でしたね・・・。
ですが今回の試合から、私たちも学ぶべきことが多かったはず。
そう、雨の日の試合では、テニスというスポーツはボールの飛び方が変化する。
これに対応出来るかどうかが、試合で勝てる大きなカギになるケースが多いのです。
特に日本ではオムニコートと呼ばれる、雨でもテニスができる環境があるだけに、しっかり準備が必要です。
改めて、この視点で考えて準備しておきましょう。
なぜ雨の日は、「ボールが弾まない、遅くなる」のかを硬式テニスの特性から考えてみる
■気温が下がり、湿度が上がるとボールは飛ばなくなる
雨で気温が下がると、ボールは弾みにくくなる。
ゴム素材が固くなり、ボールをラケットで打ったりコートにバウンドする際に、形状が変化し辛くなるからです。
また湿度が高いと、ボールの周りに水分が多い状態ですから速度が出辛い。
普段はネットを超えるようなボールも、失速してネットにかかる・・・というケースが増えることを覚悟しましょう。
■浅いボールが脅威になる、のが雨の中でのテニス
ボールが飛ばない、ということは必然的に浅いボールが増えます。
またその浅いボールも重たさを増していますので、持ち上げるのにも力がいる。
女性ですと、低い打点では水を含んだボールの重たさを感じるはずです。
このときに、フラット系のショットでボールに当てようとすると、肘を痛めてしまう可能性もあります。
必要なのは、スライス系のショット。
スライスを使えると、ボールに回転をかけて脱力しながら飛ばすことができる。
しかも相手コートで低く滑ってくれる、武器にもなるのです。
■ポジションを前にして、ネットの高い位置を通すストロークに切り替える
雨の中の試合では、より軌道の高いストロークをイメージしましょう。
そして浅いボールをケアするために、いつもよりストロークを打つ位置も少し前に。
ガットも滑りやすくなっているので、厚いグリップで打点を前にしている方は、少し薄く握り直すことも大事。
良い当たりで打っているときは問題無いですが、グリップも滑りますので、ある程度「変えていける」幅は持っておくと良いと思います。
1つのグリップでしか打てない、同じ場所でしかプレーできない・・・となると、その調子が崩れたときには、そのまま試合にも負けてしまう可能性が高くなるのです。
雨でボールの飛び方が変わる、環境が変わる。
このことを、脅威と感じていると受け身になる。
「浅くなる、滑りやすくなるからスライスが活きる」という発想は、スライスを使える選手なら持てる。
武器が少ないと、それだけ環境の変化に弱いということ。
プロ選手ですら、中断もありメンタル的にも揺らぐのが、雨。
出来る限りの準備を、私たちもしておきたいですね。