目次
選手にとって体調管理はとても大事なこと。
そして体調管理の基本はなんと言っても食べること。
ちゃんとバランスの良い食事をしっかり摂らないと、いいパフォーマンスが発揮できない。
「自炊力を養おう」テニスを強くなるには、色々な力があると便利!
となると、外食で好きなものばっかり食べてちゃ偏るから、自炊するのが一番。
でも実際、自炊の生活は厳しい。
俺の場合は、子供の頃から親が台所に立たせてくれていたから料理を覚え、18才で上京して寮に入る時には、何とかご飯は作れる状態になっていたけど、それでも初めて仕事で19時半にナイターレッスンを終え、寮まで自転車で帰る途中にスーパーで買い物して、それから寮の台所で晩ご飯を作った時は「母親ってなんてありがたいんだろう」ってしみじみ感じた。
ウチに帰ると温かいご飯が用意されていることが当たり前という環境に慣れていたから、料理できるといっても自炊はきつかった
しかし19時半にナイターレッスンを終えて20時過ぎに寮の台所に立つ・・・なんてことがキツいって最初は思っていたのに、それから段々レッスン数が増えてくると寮の近くのスクールだけじゃなくて、電車で1時間以上のスクールにも行かなきゃいけなくなり、帰宅は更に遅くなる。
そうなると、ナイターレッスンが21時半に終わり、それから電車に乗って寮に帰ると23時。
それから台所に立ってお米をといでいると、そんな状況にいる自分が辛くて辛くて、思わず泣きそうになったのを、今でも覚えている。
じゃあ外で食べて帰ればいいじゃないか・・・と言われても、その頃は給料を遠征費につぎ込んでいたので超貧乏だったし、何より食べる量が異常だったので、自炊しないととてもじゃないけど足りなかった。
でもそういう環境にも人間は慣れるもんだね
夜遅くても平気で台所に立てるようになったし、料理が手早くなったうえにレパートリーも増え、そのうち他の寮生のご飯まで作ってあげるようになっていった。
でも自炊慣れして本当に良かったって思ったのは海外に行った時だね。
アメリカにいる時もスペインにいる時も、やっぱり長期滞在していると日本食が恋しくなる。
どこにでも醤油なんかは売っているので、和食は簡単に作れるし、中華食材店などにはアズキなんかもあったからアンコも作ったりしたよ。
とにかく自炊することで、バランスのいい食事を摂り続けることが出来た上に、経済的にもかなり助かった
でもそれだけじゃなく、自炊することで寮にいる時は皆でご飯を囲むことが出来たし、海外にいる時には色んな選手が俺のアパートに遊びに来てくれたことが何より嬉しかった。
自炊は最高のコミュニケーション手段であり、色んな不安やストレスを解消してくれるって確信したよ。
テニスが上達するには色んな要素が必要だけど、料理っていうのもテニスには必要なんじゃないかな・・・って思うんだけど。
■引用元
元プロテニスプレイヤー 高西ともからのメッセージ