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高校卒業してから上京してテニスコーチになったんだけど、そこでコーチしながら選手活動している人達を出会う事が出来た。
そのコーチ兼選手の先輩達に、どういう気持ちで試合に出れば良いのか、色々教わったよ。
「勝ち上がる気、あるのかっ?」テニスのトーナメントを勝ち抜くために
その先輩達は俺よりもレベルが高くて、強かったんだけど、俺も頑張ってそういう人達と同じカテゴリーの大会に出場し続けて、何とか喰らい付いていこうとしていた。
当然、俺は初戦負けばかりで、先輩達は勝ち残るという戦績が最初は続いた。
そんなある日、レベルの高い大会に出場したんだけど、一回戦の相手が急なキャンセルで俺が不戦勝という形で初日が終わった
2回戦は次の日になるから、その日の午後はその先輩と一緒に練習したんだけど、その時に俺が「今日、一回戦やりたかったなぁ・・・」と言った。
すると先輩に、「お前は勝ち上がる気持ちは無いのか!!!」って怒られた。
俺としては、初戦をとても重要に思って調整してきたから試合が無くて拍子抜けしてそう言ったんだけど、確かに予選を突破し、本戦でどこまで勝ち上がれるかなんて「自分には無理・・・」と思って、ただ一回戦のことばかり考えていたんだよね。
レベルの事を考えたら、初戦突破出来るかどうかなんだけど、その通りに初戦のことしか考えていないと、伸びて行かない
今の課題も重要だけど、将来的なことを考えたら、初戦を不戦勝で勝ち上がればチャンスと考え、次のことに頭を切り替えておかないといけないのだ。
まだまだ未熟だった俺は、どうしても目の前のことばかり考えていたんだけど、こういう先輩に色々教えてもらいながら、「選手とは何か」ということを教えられた。
「試合に出場する以上、勝ち続けて優勝する事を考える!」
選手として当たり前のことを、意外と見落としやすい。
やはりそういうことを指摘してくれる存在は重要である。
良い先輩に恵まれたからこそ、その後選手として活動出来た。
20歳頃のお話でした。
■引用元
元プロテニスプレイヤー 高西ともからのメッセージ