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「テニスが上手くなりたいので、教えて欲しい」と、ありがたいことにお声を頂く機会がたまにあります。
もちろん初心者の方、初中級の方には基本的なことをお伝えして、反復練習して身に付けることが大事。
ですがその先、それこそ試合で勝てるようになる、自分のテニスを作っていくという過程では、何よりアナタが「感じる」ことが大事になってきます。
身近な人から、プロ選手の試合から、何かを感じて盗むことが出来るかどうか。
出来る出来ないか、ではなく視点があってやるかやらないか、だと私は思います。
テニスの上達に最も必要なのは、「自分で感じて、盗む力」です
■「技術は盗むもの」は、テニスも同じです
私は高校時代、指導者のいない部活動で育ちました。
ですので球出し練習から練習メニューの考案まで生徒主体でやっていましたが、高校2年生のときにある事件が起きます。
私が球出しの練習で「球出し役」をやっていたんですが、ボールを手に取ろうとボールかごに手を伸ばした瞬間、打った選手のボールが眼に当たり、救急車で運ばれることに。
幸いにも1週間程度の入院で済んだのですが、当時合宿をしていたチームの雰囲気は沈み、私自身もプレー出来ず苦い思い出になりました。
でもそこで、気づいたこと、感じたことがあります。
自分自身が変わらないと、工夫しないと、このチームで将来同じ経験をする人が出てくる。
そしてチームにとって、絶対に良い方向に向いていかない・・・と。
■球出しは「相手方向を常に見て、手元を見ない」から安定するし怪我もしない
その後、私は通っていたテニススクールのコーチの球出しを凝視するようになりました。
するとあることに気付きます。
球出しをするときに、手元は見ない、ボールかご手を入れて瞬時に3球を掴む。
そうすればボールが飛んできても避けられるし、スクール生の人もしっかり観てアドバイスすることが出来る。
「これだ!」と思って、テニスの技術以上に球出しの技術について、教えてもらった記憶があります。
この経験は、私がテニスコーチになったときにも非常に役に立ちました。
私は未熟でしたので、自分が痛い経験をしないと「感じて盗む」という経験が出来ませんでしたが、皆さんは違うはず。
身近にいる上手い人、試合に強い人から、何かを積極的に盗むことが出来るはずです。
■テニスが上手い人は皆、「自分で盗んできた」技術の賜物
良い指導者がいて、最高の指導をして強い選手が出来る?
そういう人もいるでしょうが、大多数は違うと思います。
自分で感じ、人から盗んでそれを工夫する。
そこにテニスの楽しさや喜びを感じるからこそ、強くなっていくのです。
親の巣から出ないで、口を開けて餌を待っている雛鳥のような人、部活やサークルにたくさんあふれてはいませんか?
それって、すごく危険。
明日、親鳥が死んでしまうかも知れないのに。
試合に勝ちたいと思っているなら、自分から巣を飛び出して獲物を探しに行く、という姿勢を持たないとダメです。
大変ありがたいことに、Twitterでもたくさんのご質問を頂く機会が増えました。
ですが、私がお伝え出来るのは「ヒント」でしかありません。
この記事の内容もそうですね。
巣を飛び出して、アナタ自身で厳しいテニスの勝負の世界で戦っていくしかないのです。
ありとあらゆる場所から、勝ち抜いていく術は盗めるはずです。
自分で編み出した技、工夫した作戦、絶対に忘れないですからね。
試合でもきっと、使い続けていけるはず。
ぜひ、今日から意識してみてください。