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「ダブルスが上手い」と呼ばれる選手は、他の選手と何が違うのか。
私自身、全日本選手権で主審を務めながら、強いダブルスのペアと選手を観察していた記憶があります。
覚えているのは、その責任感の強さと視野の広さ。
視野の広さとは「ボールを見る動き」というよりも、全体の役割分担を客観的に見て判断できる力、とでも言いましょうか。
とにかくポイントを獲っても失っても、ダブルス脳を持っている選手は全てに「自分がどう関わっているか?」を考えているのです。
ダブルス脳を持っているテニス選手は、「何事にも自分が全て影響している」ことを理解している
■サービスキープが出来ないのは、サーバーだけの責任では無い
以前にも書いたことがありますが、「サービスキープをさせてあげる」のは前衛の仕事。
ダブルフォルト連発でも無い限り、サーバーのサーブを活かすのは前衛の仕事であるという意識がすごく強い。
だからこそリターンの選手の能力を削ぐことが出来るし、逆に自分がサーバーのときには前衛に「活躍してもらう」にはどうすれば良いかを考えている。
どんなポイントにも、ダブルスならではの2人でポイントに関わっているという意識が強いのです。
そうすれば、おのずとポイント間のコミュニケーションにも具体性が出てきますよね。
何となくで進行しているダブルスは、こういうペアには歯が立ちません。
■コートを半分に分けてプレーするなら、半面シングルスと変わらない
それでも、シングルスプレイヤー同士のペアが勝ち上がることもある。
はっきりとコートを半分に分担して、後は個人のスキル勝負。
コンビネーションらしいものは無くても、シングルスで上位にいく選手はスキルが高いので勝ってしまうことも多い。
そこに対する対抗策を、しっかりとダブルスとして考えて実行できるのがダブルス脳が高い選手。
弱点を突いて、無理をさせるのが上手い。
2対1の局面をしっかり作ることが出来れば、そうそうポイントを失うことはありません。
慌てず冷静に、相手の嫌なことを観察していく力が、ダブルスには求められます。
■ダブルス脳を鍛えるには、まず日常生活から
日常生活から、このダブルス脳は鍛えられます。
そのコツとしては、人をよく観察してたくさん関わってみること。
小さなことでも、自分から協力してみてどう影響したのかを観察してみると、ダブルス脳は鍛えられます。
部活でも仕事でも、「人に使われてみる、使ってみる」という感覚はとても大事なことです。
「コイツ使えるな・・・」と思う人は、ダブルスではどう活かせるかを考えてみる。
もちろん人それぞれに性格や得意分野は異なりますから、色々な失敗もあるでしょう。
それもテニスと同じ。
失敗したら、修正すれば良いんです。
ダブルス脳を育てるには、何もしないで漠然と過ごすことが一番まずいことなのですから。
「相手に影響を与える」為には、アナタ自身が動く必要があります。
しっかりしたフェイントで揺さぶる、思い切ってポーチに出る・・・といった動きは、まだまだ足りないと認識すべきでしょう。
どんなに動いているつもりでも、相手がそれを感じてくれなければ意味が無い。
そして相手もそうですが、自分の味方から「しっかりプレッシャーかけてくれていたね!」等の声が聴けるように、頑張ってみましょう。
ダブルス脳を鍛えて、今年はコンビネーションを駆使して格上ペアを倒してみませんか?