目次
テニスの練習相手って仲の良い人とやることが多い。
試合会場でも知っている選手がいたら、率先してその
選手と練習するし、普段の練習も色んな選手とやるけどやっぱり仲が良い選手とやることが殆ど。
「あいつ苦手・・・」ってヤツは、どうしても他に相手がいない場合を除いては練習したいとは思わない。
「練習上手は勝負好き」緊張感の無いテニスの練習は無意味です
でもそうなると、練習の中で馴れ合いになって緊張感が無くなるのでは・・・と思われるがそんなことはない。
仲は良いけどライバル心を持っているから、むしろ「アイツにだけは負けたくない」って気持ちになるからね。
若かりし頃は練習なのにキレてラケットを折ったことがあったけど、その時の相手は全て可愛がっていた後輩だったし。
ラケットを投げて折るって行為はマナー違反で最低の行為ではあるが、それくらい仲の良い相手との練習でも緊張感持っていたんだよ。
そしてそういう気持ちが練習の中で芽生えないとダメなんだ。
だって沢山ボールを打てば技術は上がるけど、その培った技術を実戦の中で発揮させるためにはメンタルが強くなきゃいけないでしょ?
そのメンタルを育てるためには緊張感の中でどれだけボールを打ってきたか・・・ということになる。
もちろん試合と同じってわけにはいかないけど、練習でもプレッシャーを感じないといけないんだよ
じゃあ練習の中で緊張感を作るにはどうすれば良いのか。
それは簡単。
それぞれの練習の中に勝負を盛り込んでいって、そしてその勝負に勝ち続けようとすればいいんだよ。
でも練習で「勝負!」って言って試合ばっかりやっていたら、打ち方の基礎練習が出来ないし、相手とのクロスラリーとかボレーストロークなどのラリー練習で、繋げようとしないで決めてばかりだとちょっと相手から「練習にならない」って迷惑がられるだろうね。
じゃあどういう勝負かと言うと、それはとっても地味な勝負なんだ
例えば相手とフォアサイドのクロスコートラリーをやっているとする。
お互い、フォアハンドストロークを練習したいから、淡々と打ち合う練習だから、頭の中はフォアハンドストロークのステップや打点や
スィングのことなんかを考えて練習をやるんだけど、100%自分の打ち方のことだけじゃなくて、そこで「絶対相手より先にミスしない」という相手との勝負を意識してみるのだ。
この意識が一つ浮かぶだけで、緊張感が生まれて体と心に微妙な変化が出てくる。
そしてその変化をコントロールするテクニックも同時に練習することが、メンタルの強化に繋がっていくんだよ
そして相手がなかなかミスしないようだったら、クロスラリーの中でショットをもう少し深く打つようにしたり、スライスを混ぜてみたり緩急をつけてみたりして、ラリーは続けるんだけどそうやって相手を心理的に揺さぶる要素を入れて「相手にミスをさせよう」という形に勝負を持って行くことで、ラリーを続けながらも勝負を行うのだ。
そうするとラリー練習が成り立つし、しかもそういう発想こそ、ショットを決めることよりも実際の試合の中では必要なポイントの取り方となるんだよ。
もちろん自分よりレベルが低い相手と練習する時にも「負けない!」という意識を持って勝負しないといけない。
でも当然何かプレッシャーをかけるとすぐにミスしてしまうようなレベルの相手だと、緊張感も無くなるしいつの間にかその相手のために自分のプレーを犠牲にして優しいボールを返してあげたりしてしまう。
そういう相手にはそのレベルに合わせたボールを返し続けてあげるんだけど、それでも自分自身はそれを全てライジングで対応したり、バックサイドのクロスストレートのラリーなら、回り込んでフォアを打ってはセンターに戻るというプレーにしてみたり、相手がとんでもないコースへ打ってしまった時だけ、こちらもそれをエースでオープンコートに打っていいことにしたりすることで、いくらでも勝負を意識することは出来るし、緊張感を作ることは出来るのだ。
一番まずいのは、「頑張ってラリー続けようね」という雰囲気で互いに仲良く打ち合うような練習
自分は相手のために、相手は自分のために打ちやすいボールを打ってくれるんだっていう意識で練習していると、いつの間にかネットの向こうにいる人は敵ではなく仲間になってしまう。
練習仲間であろうと、ネットの向こうは敵。
お互い良い練習をするためにも、勝負意識を持ち続けることを忘れないようにしてもらいたいんだけど、技術的なことも当然考えないといけないから、その両方を満たしたバランスの良い練習が出来るといいね。
■引用元
元プロテニスプレイヤー 高西ともからのメッセージ