サーブ

今、急成長中の日本男子選手、「西岡良仁選手の強さ」をサーブの観点から考えてみる

目次

今年、全豪オープンを予選から突破し本戦入りを果たした西岡選手。

メンフィスオープンでもベスト8入りして、錦織選手に次ぐ日本男子選手のポジションを確実なものにしつつあります。

身長も高くなく、どちらかと言うと体格にも恵まれていないように見える西岡選手の強みは、どこにあるのでしょうか?

私なりに、彼のサーブに秘密があるのでは・・・と考えてみた内容を、今回書かせて頂きました。

 

今、急成長中の日本男子選手、「西岡良仁選手の強さ」をサーブの観点から考えてみる

 


 

■左利きの概念を変える、アドサイドのコース選択

かつて、左利きの選手はサーブにて有利と言われてきました。

それは、「アドサイド側から、ワイドへ切れていくサーブが打てる」という点で、特に注目されていたからだと思います。

大事なポイントは、ワイドにスライスサーブを打てば良い・・・という考えのもと、リターン側も慎重になって受け身になってしまう。

しかし最近では、対戦相手の研究も進み、逆に左利きのサーバーがカウンターを喰らうようなケースも増えてきました。

西岡選手は、コースの打ち分けをどのように行っているか・・・結論、ガンガン、アドサイドでは「ワイド方向」に打つ。

7割以上が、ワイド方向な感覚です。

大事なポイントでなくとも、まずワイドに打って相手を追い出してオープンスペースを作ることを重視しているのです。

それも、「厚い当たり」でしっかりスピードと重さがあるサーブを打てる。

このサーブが、彼の強さを支えているのです。

 

■サーブからの展開力が、一番の魅力

かつて左利きのテニス選手は、サーブに頼り過ぎてしまう傾向にありました。

サーブ&ボレーでサクッと終わらせたい、実際に終わってしまうポイントも多かったのがかつての時代。

しかし今は、ラケットやガット、ストロークスキルが進化しており、なかなかネットプレーでのフィニッシュが難しいのが現実。

西岡選手は、あくまでサーブを「自分の展開の第一歩」に置いているので、その後にも隙が無い。

隙が無いから、相手リターン側も無理をしてリスクをかけないと、結局ポイントを失ってしまうというプレッシャーがある。

西岡選手はキックする左利きのフォアハンドに、フラットで確実なバックハンドストローク、非常に球種が豊富で、フットワークも良い。

ジワジワと追い込まれていく感覚が、西岡選手を相手にしたときに感じられるから怖い。

ただストローク力がある、だけでは展開力があるとは言えない。

西岡選手には、サーブの球種と自分のストロークの球種を組み合わせる、創造力があるのです。

 

■アナタにも出来る、自分の武器と武器のマッチング

この発想は、テニスをやっている方なら誰でも出来ます。

例えば、ネットプレーの中でも「フォアのハイボレー」は得意!という人がいれば、そこにボールが来るような展開を考えてみる。

どういうサーブなら、このボールを引き出せるかを考えてみましょう。

男性ならキックサーブでサーブ&ボレーに出る、のが有効かも知れません。

女性ならリターンされたボールから一度浅いボールを混ぜて、自分が少し前にいく、ような展開も有りかも知れません。

武器×武器、は、ポイントの必勝パターン。

ぜひ一度、自分のテニスを客観的に見つめ直してみて下さい。

 

過去には、ビッグサーバーと呼ばれる選手は、一つの武器で大会を勝ち上がっていました。

しかし、今の時代は違います。

皆、オールラウンドなスキルがベースにあり、弱点は必ず突かれて攻撃されます。

だからこそ、武器は2つ以上を組み合わせたい。

アナタの武器、組み合わせることでより強く、試合で使えるようになるはずです!

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